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講義詳細

MDD2019〜Module2〜医療機器開発のマネージメント

医療機器における承認・認証制度(石黒 克典)

講義概要 医療機器を製造販売するには、厚生労働大臣の「承認」等を取得する必要がある。
承認は医療機器開発の延長上にあり、法的に仕上げることによって始めて上市することができるようになる。法規制への対応が必須である。
法規制の一つとしての「承認・認証制度」について、承認と認証の違いは何か、開発プロセスを含めた法的要求事項にはどんなことがあるのかなど、規制の基本的な事項を紹介する。
それを踏まえ、最終的に企業としてどう選択し、事業化していくか、そのヒントをつかんでいただくよう 解説する。
講師略歴 医療機器メーカ(テルモ等)において、一貫して薬事業務全般を担当。
その間、業界活動として医機連法制委員会の委員長等を勤める。
その経験をもとに2013年より現在の公益財団法人医療機器センター付属医療機器産業研究所にて活動。

QMSとISO13485(谷崎 みゆき)

講義概要 医療機器の品質には一定かつ良質であることが求められます。品質システムの構築は医療機器製造において必須なものです。国際規格であるISO13485と本邦の規制であるQMS省令についてその同等性と差異について解説いたします。
刷新されたISO13485に近づけるべく本邦の省令も改訂されると言われています。変更を控えどのような準備をすべきかについてアドバイスいたします。
認証取得までの一助にしていただけることを期待し、照会事項の例や海外規制の動向についても触れておきます。
講師略歴 所属:
一般財団法人 日本品質保証機構
認証部 医療機器認証課 参与
 
学歴:
東京理科大学 理学部物理学科卒業 (理学学士)
慶應義塾大学大学院医学研究科医科学専攻修士課程修了 (医科学修士)電気生理学
東京工業大学大学院社会理工学部博士課程修了 (工学博士)聴覚システム
 
職歴:
米系医療機器メーカ    薬事品質保証部(耳鼻科品目)
国内CRO 医療機器薬事  シニアコンサルタント(クラスⅢ、Ⅳ)
欧系医療機器メーカ  薬事品質保証部(心臓外科品目)
米系認証機関 株式会社 UL Japan    登録審査官
日系認証機関 一般財団法人 日本品質保証機構 登録審査官
 
資格:
IRCA Provisional Auditor (QMS)
JRCA Provisional Auditor (QMS)
 
活動:
2016-2017 JETRO新輸出大国コンソーシアム エキスパート(欧州・アジア担当)
2017-   低侵襲放射線治療ケアコーディネーション装置に関する国際標準化WG

医療機器開発と医療機器製造販売業〜業態・業許可・遵守事項〜(山口 幸宏)

講義概要 医療機器業界への新規参入企業が、医療機器を開発し、製品化したのち上市するには、医療機器製造販売業という業を取得または見つけ、その製品を販売する医療機器販売業を経由させることが必要となる。
そこで本講義では、上市する際、重要な役割を担う医療機器製造販売業という業態を中心に以下の内容
1.医療機器の開発からの流れ
2.医療機器製造販売とは、その要件と遵守事項
3.医療機器業界における各業態の種類と関わり合い
4.医療機器が販売されるまで
5.販売後に行う業務について
を、医薬品医療機器法及び関連法規を示しながら、医療機器上市までの全体像について事例を交えながら説明していきます。
講師略歴 株式会社 吉田製作所 経営渉外室 室長
公益財団法人 医療機器センター 医療機器修理業責任技術者専門講習 講師
一般社団法人 日本医療機器産業連合会 販売・保守委員会 委員長
一般社団法人 日本歯科商工協会 継続的研修テキスト作成委員会 委員長
一般社団法人 日本歯科商工協会 医機連関連小委員会 委員
日本歯科器械工業協同組合 専門委員会 議長

1992年4月  アロカ株式会社入社、超音波画像診断装置の探触子設計・開発に従事。
2003年3月  株式会社 吉田製作所入社、一貫して薬事全般業務に携わる。
2004年6月~ 日本医療機器産業連合会 販売・保守委員会などの業界活動に従事し、様々なセミナーで講演を行っている。

プログラム医療機器における必須知識(大竹 正規)

講義概要 薬機法が施行されてから5年になろうとしている。薬機法施行から単体プログラムが医療機器として認められるようになっているが、その経緯、制度の制定、その後の運用ルール等をあらためて紹介し、これまでに何が起こり着目点は何か、単体プログラムを医療機器として扱うことの価値、その展望について考える。
また医療機器とならないもののヘルスケアに関係する単体プログラムの取り扱い、さらに、サイバーセキュリティの取り扱いやAI (Artificial Intelligence)に対する考え方など、昨今の海外動向も含めた規制のトレンドも可能な限り情報共有する。
この分野をリードするために何が必要かを、皆さんと一緒に考えていきたい。
講師略歴 1995年ファルマシア株式会社(当時)でMRとして勤務後、医療機器薬事品質管理業務に転身。外資・国内企業3社において、眼科用エキシマレーザーの国内初承認、手術ロボットda Vinciの治験、放射線治療機器等の薬事品質管理実務を経験。現在、GEヘルスケア・ジャパン株式会社 薬事・安全管理本部長、米国医療機器・IVD工業会RAQA委員会副委員長・同会診断・治療機器委員会副委員長、PCHAlliance(コンティニュア)日本地域政策分科会委員長を務める。博士(生命医科学)。

リスクマネジメントとISO 14971(萩原 敏彦)

講義概要 今なぜこの規格が世界中で要求されているのか、及びどのような分野で要求されているかなどを説明します。
また、この規格は、世の中の全ての医療機器を対象としているために、その要求事項は極めて抽象的で難解であります。
その難解な要求事項は、世の中で発生した様々な事故事例を当てはめてみると、容易に理解することができます。
今回は、JIS T 14971について、規格の要求事項の読み方、その背景と意図するところ、具体的に何をすればよいのかなどを解説します。
講師略歴 オリンパス株式会社の内視鏡開発部門で、医用電気機器の製品開発、安全規格に基づいた設計・開発・評価などに携わる。その後、品質保証部に移り、製品の国内外の安全規格への適合化の推進と評価を専門とする。
社内業務に並行して医用電気機器の国際規格作りに参画する。
規格原案作成に携わった規格としては、IEC 60601-1(医用電気機器の安全通則)、IEC 60601-1-2(EMC)、
IEC 60601-1-6及びIEC 62366(ユーザビリティ)、ISO 14971(リスクマネジメント)、
及びその他電気メスや内視鏡などの個別規格の作成に携わる。
国際規格の発行に伴って、主査としてそれらのJIS原案作成を主導してきた。また、経産省の工業標準調査会の医療用具専門委員を10年程従事。2006年に工業標準化への貢献が評価され、経済産業大臣賞を受賞する。
現在は医療機器安全研究所の所長として、企業を対象に国際規格やJISに基づく安全設計及び評価について技術支援を行っている。また、各方面での講演も行っている。

医用電気機器とIEC 60601-1(萩原 敏彦)

講義概要 1977年に初版が発行されてから、この規格は世界中で用いられてきました。
現在はその3版と追補を含めた3.1版が用いられています。この版は、随所にリスクマネジメントが組み込まれているために、2版に比べて理解することが非常に難しくなってきました。
全350頁ほどの膨大な規格でありますが、今回はその中で重要な部分について、分かりやすく説明します。
講師略歴 オリンパス株式会社の内視鏡開発部門で、医用電気機器の製品開発、安全規格に基づいた設計・開発・評価などに携わる。その後、品質保証部に移り、製品の国内外の安全規格への適合化の推進と評価を専門とする。
社内業務に並行して医用電気機器の国際規格作りに参画する。
規格原案作成に携わった規格としては、IEC 60601-1(医用電気機器の安全通則)、IEC 60601-1-2(EMC)、
IEC 60601-1-6及びIEC 62366(ユーザビリティ)、ISO 14971(リスクマネジメント)、
及びその他電気メスや内視鏡などの個別規格の作成に携わる。
国際規格の発行に伴って、主査としてそれらのJIS原案作成を主導してきた。また、経産省の工業標準調査会の医療用具専門委員を10年程従事。2006年に工業標準化への貢献が評価され、経済産業大臣賞を受賞する。
現在は医療機器安全研究所の所長として、企業を対象に国際規格やJISに基づく安全設計及び評価について技術支援を行っている。また、各方面での講演も行っている。

医療機器におけるEMC(電磁両立性)の実際(芝田 侯生)

講義概要 医療機器の開発プロセスの中におけるEMCの位置付け、制度との関わりを、規格ベースで解説し理解する事を目的とします。
2014年に発行されたIEC60601-1-2 Ed.4は、各国の医療機器市場において今後の対応が必須となります。
Ed.3からEd.4への変更点について解説すると共に、製品カテゴリーのボーダレス化に伴い多様化するこれからのものづくりにおいて必要とされる注意点について、EMCの観点から解説します。
講師略歴 所属:一般財団法人 日本品質保証機構 彩都電磁環境試験所 所長
佐賀大学 理工学部 物理学科卒業
大学卒業後、一般財団法人 日本品質保証機構(JQA)、北関西試験センター(大阪)、
安全電磁センター(東京)で電磁環境試験業務に携り、現在に至る。
委員会活動:一般社団法人 日本医療機器産業連合会 技術委員会 EMC分科会 客員

ユーザビリティエンジニアリングとIEC 62366-1(吉田 賢)

講義概要 医療機器やコンビネーション製品を開発する上で、製品の安全性及び有効性を保証することは必須です。近年においては、ヒューマンファクターズエンジニアリング/ ユーザビリティーエンジニアリング(HFE/UE)を適用し、重篤なリスクにつながる誤使用(use error)を防ぐことに重点が置かれはじめました。現に2015年2月にはHFE/UEの国際規格の最新版IEC 62366-1:2015が発行され、それに続いて2016年2月には、米国食品医薬品局(FDA)より正式なHFE/UEガイダンスが発行されました。欧州並びに米国への医療機器またはコンビネーション製品の承認の要求事項として、HFE/UEの適用が挙げられます。本講義ではどのように設計開発においてIEC 62366-1:2015の要求事項を満たしつつHFE/UEプロセスの適用を実施していくのかを、弊社の経験を踏まえ、実例を交えながら解説いたします。
講師略歴 Senior Human Factors Specialist
米国ミネソタ大学にて、Ph.D.を取得後、同大学医学部(外科)において手術室のユーザビリティに関する研究に携わる。また米国Medtronic社でHuman Factors Scientistとして製品開発を担当した経験を持つ。帰国後、大手医療機器会社の薬事担当を経て、現在UL Japanにおいて、ユーザビリティ関連の業務を担当。

医療機器開発のプロジェクトマネージメント 〜ニーズ探索・コンセプトデザイン・開発インプット〜(西内 誠)

講義概要 医療機器開発には医療現場におけるニーズ(顕在化したニーズand/or潜在的なニーズ)を正しく理解し、それを具現化する活動が必要となる。
ニーズを発掘するには医療現場を実際に「観る」、そして医師を中心とした医療従事者から「聴く」という活動が必要になることは、本プロフェッショナルコースを通して多くを学ばれていることと思う。
一方、ニーズを具現化する医療機器開発現場では新技術の開発も含め、医療機器としてのFeasibility Studyが実施され、技術的成立性を見極めたのち本格的製品開発に移行する。
この開発活動では多くの解決すべき技術的課題に直面することは言うまでもない。
しかし、本格的開発を開始する前に極めて重要なフェーズが存在する。そして、そのフェーズの活動がその後の開発の成否を左右すると言っても過言ではない。
そのフェーズとは現場ニーズをもとにした「現場のニーズ」の明確化と、その要求事項を「工学的な開発インプット」に落とし込む活動を行うフェーズである。
本講義では、加発活動の全体像を含め、医療機器現場のニーズを工学インプットに落とし込む活動について医療機器開発現場の事例を含めて紹介する。
講師略歴 1988年03月 慶應義塾大学理工学部機械工学科 卒業
1990年03月 慶應義塾大学大学院理工学研究科機械工学専攻 修了
1990年04月 三菱重工業株式会社に入社
         研究部門にて航空機の空力特性・性能に関する研究、高速列車の先頭車両形状設計に従事
         設計部門にて将来航空機の設計開発に従事
2005年10月 朝日インテック株式会社に入社
         メディカル事業部にて主力製品のガイドワイヤーなどの開発に従事
         メディカル事業部研究開発グループマネージャー
         執行役員 メディカル事業部研究開発統括
      現在 取締役  メディカル事業部研究開発統括 兼 研究開発戦略室室長

生物学的安全性試験(金澤 由基子)

講義概要 以下、5項目に分類して「生物学的安全性試験」について解説します。

1. 生物学的安全性試験が必要となる理由
医療機器承認申請の中での「生物学的安全性試験」の立ち位置を解説。
2. 生物学的安全性試験とGLP
GLPの必要性と医療機器開発者が押さえておくべき要点。
3. 生物学的安全性試験の中身
「生物学的安全性試験」の選択方法、各試験の原理と概要、試料調製法。
4. 生物学的安全性の評価
生物学的安全性の評価方法および基本的な考え方。
5. 生物学的安全性試験の実施例
気管チューブおよびステントを装着したデリバリーシステムをモデルケースとして、「生物学的安全性試験」を行う際の留意点を解説。

講師略歴 こんにちは。一般財団法人 食品薬品安全センター 秦野研究所(FDSC)にて所長兼安全性事業部長を務めております金澤 由基子です。この度、医療機器開発のマネージメントの講座にて「生物学的安全性試験」について講師をさせていただくことになりました。
 
私は「生物学的安全性試験」を介して、長年、医療機器開発をされる方々のお手伝いをしてまいりました。はじめは、FDSCにおいて、感作性試験の試験責任者として動物への投与や観察をしながら、試験方法の妥当性検証など学術的な面の研究もしておりました。実務の中で、医療機器開発をされている方々の「生物学的安全性試験」に対する様々なお悩みを一緒に考えるようになり、「生物学的安全性試験」に大きく影響する規制当局の考え方を理解する必要性を感じました。
そこで、独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA)に移り、5年間、承認審査に携わりました。現在は、FDSCに戻り、生物学的安全性評価のコンサルタントに加え、ISO/TC194(医療機器の生物学的評価)国内委員として活動しております。
 
私がお伝えできるのは医療機器開発の中のほんの一部ですが、これまでの経験や最新動向を少しでも皆様にお伝えできればと考えております。皆様にお会いできるのを楽しみにしております。
どうぞよろしくお願いいたします。

医療機器と臨床評価(方 眞美)

講義概要 医療機器は主に人の疾病に対する治療あるいは診断に用いられるものであるため、基本的にはすべからく臨床評価が必要です。一方、医療機器は主に物理的効果によって臨床効果を発揮するものが多く、既存の技術や臨床エビデンスから、その品目を用いた臨床試験を行わずともその臨床効果を評価できるものも数多くあります。また実際に使われることで、改善が繰り返され、より良い医療機器が現場へ提供されるものの、一品目のライフサイクルは短いという特徴もあります。また新規性の高い医療機器は、手技がその有効性及び安全性に影響する場合もあり、市販後の医療現場との連携も安全性担保のために重要となります。より良い医療機器を安全性を担保しながら、より早く患者へ届けるためには、現存するエビデンスを最大限に活用し、効率の良い臨床評価を行っていくことが重要となります。本講義では、昨年好評だった事例を交えて、わかりやすく本邦における医療機器の臨床評価の基本的考え方や最近の施策について、ご紹介を行う予定です。また最近注目されている市販前、市販後に求められるデータのリバランス、リアルワールドデータの活用法についても触れたいと考えています。医療機器を開発するためには、臨床評価をおそれず、効率よく開発のサイクルをまわし、ぜひより良い医療機器を積極的に世界へ発信していっていただきたいと願っています。
講師略歴 1987年3月 私立東邦大学医学部卒業
1987年6月〜 東邦大学医学部付属大森病院第一内科入局、循環器内科を専攻
聖路加病院CCU、川崎中央病院等で冠インターベンションの研鑽を積み、
2005年7月より 独立行政法人医薬品医療機器総合機構へ転職
医療機器審査に携わり、現在、医療機器審査第一部 臨床医学スペシャリストとして勤務している。

医療機器開発と保険償還(谷岡 寛子)

講義概要 「医療機器の開発から販売、市販後まで 〜保険制度の下で〜」
新しい医療機器を開発し承認取得し販売し、広く医療現場で役立つこと、また、患者さんにより良いものをより早く提供することは、我々医療機器を開発し、製造販売している企業の責務であり、多くの企業のモチベーションやプライドでもあるだろう。
 
一方、この世界でビジネスを展開していくためには、市販前、市販後の薬事規制とは別に、保険制度の下で行われるものであるということを十分理解しておく必要がある。当然、この厳しい日本の医療財政の中で・・である。
 
つまり、新たに医療機器を開発し承認取得した後、機器を販売するにあたり、保険制度における取り扱いや議論の流れを十分理解し、事前に戦略を練っておかなければ、臨床使用可能な段階になって、迅速な現場への提供や、企業にとっての資金回収の面で、大きな課題を抱えることにもなりかねないということである。
 
ここでは、保険制度全般について、個別製品の保険償還の仕組みと、2年毎に行われる診療報酬見直しについて基本的な所を説明するとともに、平成30年度の改訂概要、新設された新たな制度等も確認し、市販前市販後の規制との兼ねい合いも含め、今後の展開についても考えてみたい。
講師略歴 氏名:谷岡寛子(たにおか ひろこ)
所属:京セラ株式会社 薬事臨床開発部
略歴:京セラ株式会社に入社後、治験、承認申請、市販後調査など、薬事関連業務全般を担当するとともに、ISO9001の導入の際には、設計開発部分のシステム構築を担う一員として品質システムの構築に従事した。
2005年の薬事法改正に伴い、安全管理責任者として市販後安全管理業務を、その後治験実施責任者として人工関節の治験推進等に努め、現在は、新規製品の保険申請や、臨床研究の推進、フォロー等を統括するとともに、申請業務全体に対する、厚労省、PMDAとの対応を行っている。
業界活動として、医機連の臨床評価委員会委員長、米国医療機器IVD工業会(AMDD)RAQAグループ リーダーシップチームやSTM委員会、MTJAPAN整形インプラント部会幹事として活動しており、主に臨床、薬事面において、行政、業界との検討等に携わっている。

MDD2019〜Module3〜医療機器開発のための機器実習

Group Working – Ⅲ リスクマネジメント(市販後編)(松井 豊)

講義概要
講師略歴 2006年東京薬科大学薬学部薬学科卒業、2008年明治薬科大学大学院薬学研究科臨床薬学専攻博士課程(前期)修了、
2016年早稲田大学大学院先進理工学研究科および東京女子医科大学大学院医学研究科博士後期課程共同先端生命医科学専攻修了(博士(生命医科学))。
2008年4月に独立行政法人医薬品医療機器総合機構に入構。安全部医療機器安全課に配属後、厚生労働省医薬食品局安全対策課、厚生労働省医薬・生活衛生局審査管理課医療機器・再生医療等製品審査管理室を経て、現在は医療機器審査第一部において眼科・耳鼻科領域の医療機器の審査を担当。

Group Working – Ⅳ 医療機器開発のための知財実習①(長谷川 雅典)

講義概要  単にどうやって調査をするのかではなく、製品開発をする際にどのように調査を利用するのかという観点で、講義と演習を行います。
 前半では、医療機器の開発者であるという設定で、①研究開発をする際、②開発した製品について特許出願する際、③製品を販売する際のそれぞれのステージにおいて、特許等の調査をどのように行い、それをどう活用するかについて説明します。
 後半では、事例に基づいて、実際に調査をし、どのように特許出願をするかを考える演習を行います。
講師略歴 1985年 京都工芸繊維大学大学院繊維学研究科 修士号取得
1985年 川澄化学工業株式会社に入社。医療機器の開発に従事。
1991年 ダイキン工業株式会社入社。臨床診断薬の開発、フッ素樹脂の開発に従事
1992年 京都大学大学院工学研究科高分子化学専攻 博士号取得
2004年 前田特許事務所に入所。現在に至る。
資格
2004年 弁理士登録(第13190号)
2006年 特定侵害訴訟代理資格付記登録
高分子化学会会員

現在は、医療機器、化学、半導体等の分野において国内外の特許、商標について出願、調査、鑑定、訴訟の業務を行っています。開発と知財との間をスムーズにつなげるためのお手伝いができればと考えています。

Group Working – Ⅴ 医療機器開発のための知財実習②(中道 佳博)

講義概要
講師略歴  1994年    奈良教育大学大学院教育学研究科物質科学専修 修了
 1993〜1994年 岡崎国立共同研究機構分子科学研究所 電子構造研究系 特別研究生
 1994〜1997年 国内特許事務所
 1997〜2012年 長瀬産業株式会社 
         研究開発センター、グループ会社他の知的財産業務に携わる。
 2012年〜   南條・進藤特許事務所(現:創樹国際特許事務所)入所
 2012年    弁理士登録
 2014年    特定侵害訴訟付記登録

MDD2019〜Module4〜医療機器開発の実践

我が国の医療機器開発環境の現況と近未来
-医工・産学官連携による医療機器のイノベーション戦略-(妙中 義之)

講義概要 我が国の成長戦略の中で、医療イノベーションは極めて重要な位置づけにある。
国が推進する医療イノベーションの推進の現状について、医療機器を中心に概説する。
医療機器開発と製品化には、臨床現場や患者が求める明確なニーズ、将来の医療に貢献する重要なアイデア、医工・産学連携、複数技術の融合、製品化への連続的プロセス、規制対応、技術を持つ企業が医療機器分野に入るための世論作り、などが重要である。
これらの活動を支援する国の取り組みについての現況と近未来を紹介する。
問題点としては、これまで試作品止まりで、収益を挙げられる製品に至らない産学官連携や、医工連携の事例が多かったのも事実である。
最近の各種の検討から得られた、どのようにすれば製品に至るまでのプロセスを辿って行けるのかについての、各種の検討や支援の受け方などについても言及する。
時間的に可能であれば国立循環器病研究センターでの医療機器の研究開発と製品化がどのようになされてきたかも実例を挙げて概説したい。
講師略歴 大阪大学医学部附属病院第1外科(研修生)       自 昭和51年4月 至 昭和51年6月
大阪大学医学部附属病院第1外科(医員)        自 昭和51年7月 至 昭和52年6月
大阪厚生年金病院外科(医員)             自 昭和52年7月 至 昭和53年6月
大阪府立病院心臓疾患専門診療科(医員)        自 昭和53年7月 至 昭和55年8月
国立循環器病センター研究所人工臓器部(研究員)    自 昭和55年9月 至 昭和62年3月
                  (室長)     自 昭和62年4月 至 平成7年3月
                  (部長)     自 平成7年4月 至 平成19年3月
米国ユタ大学、テキサス心臓研究所(Research Fellow) 自 昭和59年5月 至 昭和61年10月
国立循環器病センター研究所     (副所長)    自 平成19年4月 至 平成27年3月
日本の技術をいのちのために委員会(理事長)      自 平成21年8月 至 現在
国立循環器病研究センター 研究開発基盤センター長   自 平成22年4月 至 平成29年3月
大阪大学医学部(併任)(連携大学院大学)教授     自 平成11年1月 至 平成29年3月
大阪大学臨床医工情報教育センター(招へい教授)    自 平成23年4月 至 平成29年3月
内閣官房医療イノベーション推進室(次長)       自 平成23年1月 至 平成25年1月
東京大学公共政策大学院(シニアリサーチャー)     自 平成25年2月 至 現在
公益財団法人医療機器センター(理事)         自 平成25年8月 至 現在
日本医療研究開発機構 (プログラム・スーパーバイザー)自 平成27年4月 至 現在
日本人工臓器学会(理事長)              自 平成27年11月 至 現在
大阪大学国際医工情報センター(特任教授)       自 平成30年4月 至 現在
受賞歴:
産学官連携功労者表彰(日本学術会議会長賞)  内閣府 平成16年
科学技術分野の文部科学大臣表彰(研究部門)  文部科学省 平成18年
日本人工臓器学会技術賞 平成13年、14年、27年

IVD : In-Vitro Diagnostics(体外診断用機器・試薬)の開発(浅野 薫)

講義概要 体外診断用医薬品とは、血液や専ら疾病の診断に使用されるこが目的とされている医薬品を言います。体外診断薬は単独では使用されず、医療機器である体外診断用機器とセットで使用されます。体外診断薬の性能を最大化するためには、体外診断用機器との擦り合わせが必要です。従って、その開発には分子生物学、分析化学、機械工学、電子工学、応用物理学、情報工学などの他分野の研究者・技術者がプロジェクトを組んで進めます。本講義では、その開発事例を中心にお話ししたいと思います。
講師略歴 役  職  シスメックス株式会社 取締役 専務執行役員 研究開発、先進医療事業担当
      兼 株式会社メディカロイド 代表取締役副社長
      兼 株式会社理研ジェネシス 取締役
略  歴  1983(昭和58)年3月 大阪大学大学院 工学研究科 電子工学専攻卒業
      1987(昭和62)年8月 東亜医用電子株式会社(現シスメックス株式会社)人社
      2005(平成17)年4月 中央研究所長(本部長)
      2009(平成21)年4月 執行役員 中央研究所長
      2011(平成23)年4月 執行役員 研究開発企画本部長
      2013(平成25)年4月 上席執行役員 中央研究所長
      2014(平成26)年6月 取締役 上席執行役員
      2015(平成27)年4月 取締役 常務執行役員
      2017(平成29)年4月 取締役 専務執行役員(現任)
受賞歴   平成11年度 神戸市産業功労者表彰
      平成13年度 近畿地方発明表彰「文部科学犬臣奨励賞」
      平成14年度 兵庫県発明等表彰「兵庫県発明賞」
      平成14年度 全国発明等表彰「兵庫県発明賞」
      平成18年度 近畿地方発明表彰「支部長賞」
      平成25年度 文部科学大臣表彰「科学技術賞(開発部門)」

医療機器開発におけるマーケティングの実践①(宮坂 強)

講義概要 医療機器開発におけるマーケティングの役割について学びます。       
 臨床現場のニーズや課題の抽出や開発する機器の臨床的価値の評価、事業化のグランドデザインや、出口戦略を構築する上の役割について議論します。
1. 医療機器開発で考えるべきポイント
◇医療機器は臨床現場で生まれる=アンメットニーズの抽出
◇臨床現場の課題、アンメットニーズは明確か?
◇自社と開発品の市場における“ポジショニング”とは?
◇医療的価値を分析する=保険適用の可否?
2. 開発のプロセスの理解と事業化の課題
◇開発ステージの理解、難関、関門、採算性
◇実用化、事業化、産業化の違い
◇開発医療機器のコンセプトの可視化
3. マーケティングの役割
◇失敗例から学ぶマーケティングの重要性
◇製品開発に於ける臨床現場の評価とは?
◇開発医療機器のユーザビリティー調査の重要性
◇マーケティングによる事業性評価と市場分析
4. マーケティングが主導した事業化の紹介
◇市場創造を伴った製品開発
◇潜在市場の顕在化と治療の主体となる診療科の特定
◇製品開発、マーケティング戦略
まとめ
①医療器開発は現場のニーズから生まれる
②開発プロセスの理解と臨床現場の評価の重要性
③マーケティングの役割(広義と狭義)
④事業化と出口戦略をマーケティングが主導する
講師略歴 長年、外資系メーカー(アボット・ラボラトリーズ、ベクトン・ディッキンソン、アルコンサージカル、ボストン・サイエンティフィック、アボットバスキュラー)勤務
◇臨床検査自動化に関連して、
①生化学検査、免疫検査、細菌検査の自動分析装置
②検査試薬
◇治療用医療機器として、
①眼科手術装置(白内障、硝子体手術装置、眼内レンズ等)
②心臓血管外科デバイス(心臓弁、人工血管、ペースメーカ等)
③血管内治療デバイス(ステント、バルーン、IVUS、脳コイル等)
    領域の医療機器開発とマーケティングを担当。
◇末梢血管の血管内治療デバイスの開発、事業化実施
◇国産の植込型補助人工心臓の開発に従事
◇国内製薬企業内での医療機事業立上 
  投資先企業支援や血管内治療デバイスの開発等のマネージメントを実施。
◇新技術を用いた医療機器の市場導入と専門領域の臨床医、医療従事者組織化
◇国内医療機器企業、国内の医療機器スタートアップ企業等
の顧問
 
資格等:薬剤師

医療機器開発におけるマーケティングの実践②(宮坂 強)

講義概要 医療機器開発に必要な機能を満たすための環境を整理し体制構築について整理し「チーム編成」や「プロジェクトマネージメントにおけるマーケティングの役割」を議論します。
1. 医療機器に於いて考えるべきポイント
◇開発プロセスと開発体制構築の重要性
◇開発に必要な機能と情報、人材、チーム編成
◇日本の医療機器の課題と特徴
2. 米国医療機器企業の開発体制
◇米国における画期的医療機器は大手企業から生まれない?
◇ベンチャ企業と大手企業の関係(役割分担)
◇強い企業の特徴=米国大手企業を分析する
◇日本の医療機器産業の特徴と課題
3. 医療機器の開発に必要体制とチーム編制
◇自社のポジショニングと目指す企業形態
◇開発に必要な機能と役割
◇オープンイノベーション
◇日本のベンチャ企業の成功事例
4. 開発プロセスマネージメントとマーケティング
◇誰が組織と開発プロセスをマネージするか?
◇プロセスの可視化とゲート(関門)管理
まとめ
①米国企業や成功した企業から学ぶ
②開発に必要な機能と役割
③日本の医療機器産業と特徴と課題
④組織とプロセスマネージメント
⑤ゲート管理にマーケティングが果たす役割
講師略歴 長年、外資系メーカー(アボット・ラボラトリーズ、ベクトン・ディッキンソン、アルコンサージカル、ボストン・サイエンティフィック、アボットバスキュラー)勤務
◇臨床検査自動化に関連して、
①生化学検査、免疫検査、細菌検査の自動分析装置
②検査試薬
◇治療用医療機器として、
①眼科手術装置(白内障、硝子体手術装置、眼内レンズ等)
②心臓血管外科デバイス(心臓弁、人工血管、ペースメーカ等)
③血管内治療デバイス(ステント、バルーン、IVUS、脳コイル等)
    領域の医療機器開発とマーケティングを担当。
◇末梢血管の血管内治療デバイスの開発、事業化実施
◇国産の植込型補助人工心臓の開発に従事
◇国内製薬企業内での医療機事業立上 
  投資先企業支援や血管内治療デバイスの開発等のマネージメントを実施。
◇新技術を用いた医療機器の市場導入と専門領域の臨床医、医療従事者組織化
◇国内医療機器企業、国内の医療機器スタートアップ企業等
の顧問
 
資格等:薬剤師

看工連携による医療機器開発の取り組み〜心臓カテーテル用手台の開発から製品化・販売までの道のり(澤海 綾子)

講義概要 血管造影室で必要な心臓カテーテル検査・治療用の手台を現役の看護師が開発した。
課題解決型アプローチによって現場のニーズをもとに製品を作り事業化した経験をもとに、製品化から特許取得、医療機器申請、販売までに必要な取組みについて紹介する。
講師略歴 1997年 看護師免許取得。ICU/循環器外来/循環器病棟勤務を経て心臓カテーテル室に従事。
2013年より新久喜総合病院 血管造影室副主任として勤務し、動脈硬化疾患の早期発見・早期治療・再発予防を重視し、業界内の様々な問題解決に取り組んできた。
病診連携・病病連携、カテ前オリエンテーション、スタッフ教育、学会運営、地域講演会、ワークショップ企画など。
また、カテ室における穿刺手台を開発し医療機器開発にも力を入れている。現在は地域のクリニックに在籍し活動を継続中。

Group Working – Ⅵ 医療機器開発のための保険戦略(田村 誠)

講義概要
講師略歴 AMDD医療技術政策研究所所長
一般社団法人医療システムプランニング 代表理事
医療機器センター医療機器産業研究所上級研究員
国際医療福祉大学大学院特任教授

1984年に明治生命保険相互会社入社、1995年から東京大学、国際医療福祉大学において医療経済・政策等の研究に従事。
2004年より米国医療機器会社(日本ガイダント、ボストン・サイエンティフィック、アボットジャパン)において、バイスプレジデントとして保険償還・渉外関係の業務につく。
2004-2010年にACCJ/AMDDの保険委員長を務める。2011-2017年は中医協専門委員。
2017年に独立し、一般社団法人医療システムプランニングを立ち上げ、現在に至る。
東京大学医学部保健学科で学士、医学系研究科で修士・博士を取得。ノースウェスタン大学経営大学院修了。

Group Working – Ⅵ 医療機器開発のための保険戦略(一戸 和成)

講義概要
講師略歴 一戸 和成(いちのへ かずしげ)
昭和49年生まれ(45歳)

京都市 保健福祉局 健康長寿のまち・京都推進室 健康長寿企画課 担当課長
学    歴
平成10年 3月  弘前大学医学部         卒業 
平成14年 3月  弘前大学大学院医学研究科    卒業  修了 (医学博士号取得)
経    歴
平成14年4月〜14年6月 厚生労働省 大臣官房 厚生科学科(平成14年4月入省)
平成14年7月〜16年3月 厚生労働省 保険局 医療課 課長補佐
平成16年4月〜18年3月 厚生労働省 医政局 経済課 課長補佐
平成18年4月〜20年3月 厚生労働省 労働基準局安全衛生部労働衛生課中央労働衛生専門官
平成20年4月〜23年3月 福 井 県 健康福祉部 健康増進課長
平成23年4月〜24年3月 厚生労働省 医政局 指導課 課長補佐
平成24年4月〜26年6月 厚生労働省 保険局 医療課 課長補佐
平成26年7月〜29年3月 青 森 県 健康福祉部長
平成29年4月〜30年3月 厚生労働省 医薬・生活衛生局 食品安全企画課 課長補佐
平成30年4月〜     現職

医療機器開発から販売までの取り組み~医工連携と参入課題への対応~(保坂 誠)

講義概要 前半は、中小企業である産業機械メーカーが、産学官連携プロジェクトを主軸に医療機器産業への参入をめざした、2004年から現在に至るまでの取り組みを紹介します。後半は、製品開発から上市までの各ステージにおいて、新規参入者が経験する課題とその対応事例を紹介します。
・公的支援を活用した事業展開
・産学官連携を活用した製品開発
・メディアを活用したブランディング
・製品企画と市場調査の難しさ
・大学との共同開発で注意すべき事項(役割の認識)
・事業推進に必要な要素
講師略歴 平成8年、山科精器株式会社に入社。工機事業部に所属し専用工作機械の設計・製造に従事。
平成16年から中央研究所にて産学官連携による医療機器開発に従事。マイクロ波を使った内視鏡用処置具や細胞分離装置などを開発。
平成21年にメディカル事業部を発足し、軟性内視鏡用処置具の開発に従事。
平成24年から大阪大学 臨床医工学融合研究教育センター 次世代内視鏡治療学共同研究部門 招へい研究員。
平成25年から副部長。同年、第5回 ものづくり日本大賞 特別賞 受賞。超ものづくり部品大賞医療・健康分野部品賞 受賞に貢献。
平成26年、中小企業優秀新技術・新製品賞 優秀賞/産学官連携特別賞 受賞に貢献。
平成29年4月から執行役員 部長。
平成30年6月から取締役兼執行役員 部長。

もっと医師の学びをオープンに -医師のための症例検討プラットフォーム-(菅原 俊子)

講義概要 医師が医局や病院の枠にとらわれず、「もっと簡単に他の医師に症例を共有できれば」
e-casebookは、そんな医療現場の声を実現するために構想されました。
e-casebook開発の経緯、現状、将来の展望と課題について、お話しします。
講師略歴 関西学院大学総合政策部卒業、関西学院大学専門職大学院経営戦略研究科修了。
外資系製薬会社マーケティング本部での職務経験を経て、2000年4月にハート・オーガナイゼーションを創業、2004年に法人化。
学会・研究会事務局を受託する事業を経て、2012年から医師のためのクラウドサービス事業(e-casebook)を開始。
現在、循環器内科、心臓外科の医師を中心に利用されている。
2016年4月に、地域経済活性化支援機構が運営する、ヘルスケアファンドからシリーズAの資金調達を実行し、業務拡大中。

在宅医療の時代を見据えたモバイル心電計の開発を通じて(岡庭 貴志)

講義概要 時間もお金もかかる医療機器開発
どこでお金がかかるのか、なにが大変であったか、経験も交えて本講でお伝え出来れば、と思います。
講師略歴 1992.04 〜 1998.03:慶應義塾大学理工学部機械科 生体医工学専攻
1998.04 〜 2002.08:GEにて、超音波診断装置開発に従事
2003.10 〜 2019.07:㈱イメージ ワンにて、CAD設計、医療IT設計、心電計設計とビジネス統括を行う。
2019.08 〜 現在  :㈱ZAIKEN CTO

眠りを見える化するテレメトリー式脳波計の開発、実用化、そして認証へ(宮田 愛子)

講義概要 ・会社紹介
・「脳波センサZA」開発の経緯とあゆみ
・医療機器市場参入の経緯
・医療機器市場参入のあゆみ(商品企画〜開発〜申請準備)
・医療機器市場参入に向けての課題検討
・認証その後・・・
・ソフトウェア医療機器認証申請の準備
講師略歴 1998年工学部化学専攻卒業
1998年〜某半導体メーカーでプロセスエンジニアとして従事
2005年〜株式会社プロアシストに転職。
 アナログ回路設計エンジニアとして開発業務に従事
2013年〜新事業推進部(現商品企画部)に移動
 脳波センサ事業を中心とした新製品企画および新規事業の立ち上げを行う。
2019年〜商品事業部 機器開発課にて脳波事業・リラックスチェア事業を推進

大手外資系マーケティングから医療機器ベンチャーへの挑戦 ~ビジネス分析とあわせて~(津嶋 誠)

講義概要 医療機器開発と医療機器ベンチャーへの挑戦、の視点から、次についてご紹介いたします。
  ①外資系大手医療機器メーカーで学んだ事  
  ②なぜベンチャーを興そうと考えたか  
  ③現状と未来
ベンチャーの起業や新規事業開発の際に、必ず事業計画/ビジネスプランを作成します。このスタータッププランニングの内容が、資金調達の成功率や新しいビジネスの生き残る確率に大きく影響します(Bloomberg)。
プランニングには、ビジネス、マーケティング、セールスなどがあり、多くのファクターを色々な角度から分析をして、ビジネスに影響する要素を明確にしていきます。代表的な分析方法を紹介して、幾つかのリアルビジネスをケーススタディーとして紹介します。
講師略歴 放射線科、循環器科を中心とした医療機器市場で、約30年間 内資&外資系企業で 営業、マーケティング、新規事業開発、人財育成を実践してきました
ベンチャーの起業では、2006年5社の投資企業から8億円の投資を受けて医療機器メーカーの創立、 2014年6月エバマーケティング合同会社の創立、 2018年1月CVCから投資を受けて医療機器メーカー、を創立しました
  2014年以降、日本12社、海外3社のベンチャーをサポートしました
エバマーケティングでは、マーケティング&コンサルティングの受託、資金調達サポート、ベンチャーの起業サポート、人財育成トレーニング、インターンシッププログラムのサポート、ビジネススクールでレクチャー、などのサービスを提供しています
詳細は下記のサイトで参照ください
https://jp.linkedin.com/pub/合同会社-エバマーケティング/9a/82a/230/
https://www.facebook.com/evamarketingllc

現在進行中!歯科・大学発ベンチャー体験談と歯科トレンド(十河 基文)

講義概要 MDDでは「歯科」の講義はありませんが、少しだけも歯科を知っておきたい方もいらっしゃることでしょう。
そこで昨年度の演者自身の経験談に加えて、今年度は「歯科市場」についてもお話します。
コンビニより多いといわれる歯科医院。医科と異なり病院勤務よりも開業医が大半の市場環境。
治療においても医科ではまず見ない「自由診療」があるのも歯科の特徴といえます。
そんなお話や、また最近歯科で注目されている「歯周病」や「口腔ケア」といったお話もしたいと思います。
講師略歴 1963.2 大阪生れ(大阪育ち、お調子者)
1982.4〜1988.3 大阪大学歯学部
1988.4〜2006.3 大阪大学歯学部/附属病院(88-97:補綴科, 97-06:口腔総合診療部)
2001.6 講師昇任
2003.11 大学発ベンチャー 株式会社アイキャット起業(兼業:取締役)
2006.3 大阪大学退職
2006.4〜2018.3 株式会社アイキャット代表取締役CTO(専業)、歯学部招聘教員
2018.4〜現在 大阪大学歯学部イノベーティブ・デンティストリー戦略室 教授
株式会社アイキャット代表取締役CTO(兼業)

《2019NEW!》AIが拓く内視鏡診断の未来(多田 智裕)

講義概要 医療機器開発において重要な医療現場の課題を捉え、製品化へと結びつける発想やその方法について学びます。
AIを利用した内視鏡検査の診断支援システムの、発想から現在に至るまでのこれまでの取り組みを紹介します。
 
1.医療現場の課題の捉え方〜製品化への道筋
2.事業の立ち上げ方や、ビジネス化方法
3.研究〜開発〜ビジネス化に待っている3つの障壁とその乗り越え方
講師略歴 2005年に東京大学の大学院を卒業。1996年から、東京大学医学部附属病院で外科医として勤務し、1997年からは国家公務員共済組合虎ノ門病院で麻酔科医として勤務。その後、いくつかの病院で経験を経て、2001年には再び東京大学医学部附属病院で大腸肛門外科としての経験を積む。2006年からは武蔵浦和メディカルセンターただともひろ胃腸科肛門科の院長に就任し現在に至る。その一方で、東京大学医学部附属病院で実施している大腸肛門外科学講座の非常勤講師と株式会社AIメディカルサービスの代表取締役も兼任する。
 
1996年3月 東京大学医学部医学科卒業 
2005年3月 東京大学大学院外科学専攻卒業     
1996年6月 東京大学医学部付属病院 外科 
1997年6月 国家公務員共済組合虎ノ門病院 麻酔科
1999年12月 東京都教職員互助会三楽病院 外科 
2001年6月 東京大学医学部付属病院 大腸肛門外科
2005年4月 東葛辻仲病院 外科
2006年7月 武蔵浦和メディカルセンターただともひろ胃腸科肛門科院長
2012年3月 東京大学医学部付属病院 大腸肛門外科学講座 非常勤講師 
2017年9月 AI Medical Service Inc. CEO

健康寿命延伸とロボット、AI 〜未来イノベーションWGの中間まとめを受けて〜(本田 幸夫)

講義概要 未来イノベーションWGのとりまとめ等を政策に落とし込むべく、現在、厚労省・経産省・文科省三省共同で予算要求を行っている。
特に「健康・医療分野におけるムーンショット型研究開発事業」が目玉の一つになっており、本講義では介護ロボットから健康寿命延伸を支援するロボット・AIの世界の世界の研究開発動向と倫理面での課題を概説し、普及に向けた社会実装における「人間の安全保障」の考え方の重要性を提起する。
講師略歴 1956年生まれ、デンソーにて自動車用電装品の設計開発に従事した後、パナソニックにて高効率モータの開発、商品化、海外製造会社の経営責任者、新規事業として生活支援ロボットを担当。

2013年より大阪工業大学ロボティクス&デザイン工学部ロボット工学科教授、産業技術総合研究所技術移転ベンチャーアルボット社代表、大阪大学医学部医学研究科招聘教授。

2015年より日本医療研究開発機構 産学連携部門プロジェクトスーパーバイザーを兼任。

看護の立場から見る医療現場と医療機器 ~高齢化時代の病院と認知症ケアの現場から~(大久保 和実)

講義概要 本講義では、高齢化時代の急性期病院の現状を紹介すると共に、認知症の患者のケアにおいて、医療機器に期待することを認知症看護認定看護師の視点からお話ししたいと思う。
講師略歴 1993年     大阪府立千里看護専門学院 卒業
1993年〜   市立豊中病院勤務
2008年6月  認知症看護認定看護師 資格取得
2009年1月  もの忘れ看護相談外来を開設
2011年    せん妄予防対策チーム立ち上げ
2016年4月  兵庫県立大学大学院 博士前期課程 看護学研究科 高度実践看護コース入学
2018年3月  修了
2018年4月  ~市立豊中病院 リハビリテーション病棟 看護師長
現在に至る

主な執筆・研究発表
・せん妄予防チームで関わる院内デイケアの効果 市立豊中病院医学雑誌 13巻2012年
・ナーシングトゥディ 認知症看護 退院時に拒否された事例,日本看護協会出版会 2010年6月号
・ナーシングトゥディ 一般病棟の認知症患者 日常生活と療養を支える『移動・移乗』『排泄』,日本看護協会出版会 2012年2月号
・パーソン・センタードな視点から進める『急性期病院で治療を受ける認知症高齢者のケア』
入院時から退院後の地域連携まで ,事例12心不全の治療中にせん妄から認知症が表面かした高齢患者,鈴木みずえ編集 日本看護協会出版会 2013年12月
・救急看護トリアージのスキル強化 連載第3回高齢者・認知症患者の救急緊急時はこうする! 日総研出版 2015年2-3月号
・看護実践能力習熟段階に沿った急性期病院でのステップアップ認知症看護,鈴木みずえ著,pp133,pp162コラム担当,日本看護協会,2016年7月

《2019NEW!》Group Working – Ⅶ 医療機器開発のためのファイナンス(水原 善史)

講義概要 ①医療機器ベンチャーにおける資本戦略について
②資本戦略におけるグループワーク
講師略歴 大阪大学大学院工学研究科卒業、2003年三洋電機入社。
2013年に㈱ザクティ(三洋電機デジタルカメラ事業部のスピンアウト会社)に転籍。
製品開発に携わる技術者から経営企画、新規事業開発と幅広い業種に従事。特に新規事業開発では、スタンフォード大学Visiting Scholarという立場でシリコンバレーに滞在し、多くの現地ベンチャー企業の方々と交流。
2016年より大阪大学ベンチャーキャピタルにてベンチャー投資業務に従事。

シート型体振動計「眠りSCAN®」の開発と普及(木暮 貴政)

講義概要 シート型体振動計「眠りSCAN」は2009年に発売されたクラスⅠの医療機器(体動センサ)である。
その後、2014年に2代目の現行型を発売し、介護施設における見守りロボットとして2015年度から普及し始めた。
まだ限定的ではあるが、医療機関向けにも普及の兆しが見えてきた。
開発時、売れない時代、売れてきた現在、それぞれに違った楽しみと苦しみがあり、多くの失敗、撤退の危機もあったが現在までなんとか生き延びてこられた。
企業における研究部門として開発から現在に至るまで一貫して関わってきた立場から、その経験をお話しします。
講師略歴 1999年 東京大学工学部卒業
2001年 東京大学工学系研究科博士前期課程修了
2001年 パラマウントベッド株式会社入社
睡眠研究に従事し、寝具の「寝返りしやすさ」と「寝つきの姿勢での寝心地」が良質な眠りのために重要であることを明らかにし、寝具の開発に活かしてきた。
その経験などから、シート型体振動計「眠りSCAN」を開発するに至り、2009年に初期型を発売。
眠りSCANに関連した研究と普及活動に従事し、機能を追加した2代目の現行型を2014年に発売。
現在も寝具と眠りSCANに関連した研究活動に従事している。
2009年 パラマウントベッド睡眠研究所 研究主幹
2017年 博士(医学)の学位取得
2018年 パラマウントベッド睡眠研究所 所長

日本発の新しいタイプの外科用止血材の開発と実用化(前田 広景)

講義概要 ◆医療機器ビジネス参入には様々な「ハードル」がある。特に異業種の開発者にとっては、その「ハードル」が判りにくいがゆえに、参入がとても難しいものにみえる。
◆新たに医療機器ビジネスへの参入を目指す方々への参考事例として、新規参入を果たした化学会社が新医療機器の市販に至った経験をお伝えしたい。
◆実際には、“日本発の止血材(クラスⅣ)”の開発推進・治験実施・薬事承認取得の中で遭遇した「ハードル」をどのようにして乗り越えたかをご紹介する。
◆さらには、国内での実用化後の「ハードル」についても触れてみたい。
講師略歴 ◆現職
 ◆三洋化成工業株式会社 バイオ・メディカル事業本部 医療機器研究部長
 ◆医療機器、バイオ関連製品の研究および薬事開発に従事
◆業務経験
 ◆同社入社後、臨床検査薬、界面活性剤、医薬香粧品材料の開発を担当
 ◆その後、2005年から医療機器開発・薬事申請を経験

《2019NEW!》けいれん性発声障害の患者さんのための新規医療機器「チタンブリッジ」の開発(讃岐 徹治)

講義概要 けいれん性発声障害は、喉頭に器質的異常や運動麻痺を認めない発声障害の一つで、発声時に内喉頭筋の不随意的、断続的な痙攣による発声障害をきたす疾患であり、国内外ともに内転型痙攣性発声障害に対する根本的な治療はない。チタンブリッジを用いた甲状軟骨形成術2型は、発声時に不随意的、断続的に強く内喉頭筋が内転することで声門が過閉鎖し症状が発現することに着目し、発声時に声門が強く内転しても声帯が強く閉まらないように甲状軟骨を正中に切開し、両側甲状披裂筋の付着部を甲状軟骨ごと外側に広げて固定する手術術式であり、京都大学名誉教授一色信彦先生により報告された。
チタンブリッジは、世界に先駆けて開発された新規原理の医療機器で、本邦独自の医療技術である。本治療は、その有効性により患者のQOL向上に寄与し、標準治療になりうるものと考え、2014年より難治性疾患等克服研究事業でチタンブリッジの実用化に向けた研究「内転型痙攣性発声障害に対するチタンブリッジを用いた甲状軟骨形成術2型の効果に関する研究 」を開始した。チタンブリッジは、厚生労働省の先駆け審査制度指定品目医療機器第一号に2016年2月10日付けで指定を受け、翌年12月15日に先駆け指定品目の中ではじめて薬事承認され、2018年度診療報酬改定時に新規医療技術として収載された。
本講義では、新規医療機器並びに新規医療技術の実用化と普及に向けた実際の取り組みについて紹介する。
講師略歴 1995.3 愛媛大学 医学部 卒業
1995.4 愛媛大学 医学部 耳鼻咽喉科 入局
2001.3 愛媛大学大学院 博士課程卒業、医学博士
2001.4 愛媛大学医学部耳鼻咽喉科学助手
2001.5 Washington Univ. in St. Louis ポスドク
2003.9 一色クリニック・京都ボイスサージセンター
2006.1 熊本大学医学部医学薬学研究部頭頸部感覚病態学分野 助手
2010.9 熊本大学医学部附属病院耳鼻咽喉科頭頸部外科 講師
2017.10名古屋市立大学大学院医学研究科 耳鼻咽喉頭頸部外科 講師